伝統行事
貴州省における主な少数民族の祭り
貴州省では、旧暦に合わせて多彩な民族行事が各地で催されます。以下に、代表的な祭りとその開催時期、場所、簡単な内容をご紹介します。
日程 / 祭り名称(民族)
概要 / 開催場所
⚫︎旧暦 1月1日 祭薩(トン族)
トン族の祖霊を祀る神聖な行事で、一族の繁栄や無病息災を祈願します。
開催地:榕江県車江三宝侗寨、黎平県肇興侗寨・岩洞鎮
⚫︎旧暦 1月2日 集団結婚式(トン族)
若者たちが一斉に婚姻を結ぶ祝祭で、地域を挙げてのにぎやかな儀礼です。
開催地:従江県高増村
⚫︎旧暦 1月4日 トン族大歌(トン族)
ユネスコ無形文化遺産・多声合唱による民謡の公開演奏。壮大なハーモニーが世代を超えて継承されています。
開催地:従江県小黄村
⚫︎旧暦 1月4日 抬官人(トン族)
若者が官人に扮し、担ぎ歩くコミカルな民俗劇。豊作祈願と村の結束を象徴します。
開催地:黎平県紀堂村
⚫︎旧暦 1月7日 抬官人(トン族)
上記と同様の趣旨で、より規模の大きい地域的な催しです。
開催地:従江県黄崗村
⚫︎旧暦 1月10日 梭嘎跳花坡(長角ミャオ族)
直径約200mの自然広場で催され、若者たちによる華やかな求愛の舞。豊作・厄除け・恋愛の三重の願いが込められています。
開催地:六枝特区梭嘎郷
⚫︎旧暦 1月15日 火龍の舞(ミャオ族)
竹と布で作られた龍に火を灯し、夜間に集落内を練り歩く勇壮な火祭りです。火と光の共演が厄除けと村の繁栄を象徴します。
開催地:台江県県城
⚫︎旧暦 1月15–16日 蘆笙会(ミャオ族)
蘆笙の演奏と舞踏を中心にした祭りで、若者の交流や婚姻の場としても知られます。
開催地:麻江県擺仰村
⚫︎旧暦 1月19–21日 蘆笙会(ミャオ族)
上記と同様の趣旨で、より規模の大きい地域的な催しです。
開催地:凱里市舟渓鎮甘囊香
⚫︎旧暦 3月15–17日 姉妹飯節(ミャオ族)
若い女性が思いを込めた染飯を贈る恋の儀式。恋愛の意志を伝える民族最大級の縁結びの祭りです。「中国最古のバレンタイン」と称されることも。
開催地:台江県施洞鎮・老屯郷・双井鎮
⚫︎旧暦 4月8–10日 飛雲崖四月八(ミャオ族)
仏教・祖霊信仰が交錯する神聖な祭り。飛雲崖の山間に舞と祈りの声が木霊します。
開催地:黄平県飛雲崖
⚫︎旧暦 5月5日 鎮遠龍船節
端午節に合わせて開催される伝統のドラゴンボートレース。観光客にも人気の高い水上イベントです。
開催地:鎮遠県鎮遠古城
⚫︎旧暦 5月24–27日 施洞龍船節(ミャオ族)
龍神を祀る儀礼と競漕が融合したミャオ族独自の端午節。太鼓の響きと華やかな衣装が印象的です。上記の龍舟祭と比べ、地域色がより強く表れます。
開催地:台江県施洞鎮
⚫︎旧暦 7月21日 旁海蘆笙節(ミャオ族)
農閑期に行われる芦笙の祭りで、地域の若者たちの交流の場。求愛と村間の親睦を深める機会にもなっています。
開催地:凱里市旁海区
⚫︎旧暦 9月9日 青曼重陽節(ミャオ族)
高齢者を敬う「重陽節」にちなんだ地域行事で、村を挙げて祖先や年長者に感謝を捧げます。
開催地:凱里市青曼村
⚫︎旧暦 9月26–27日 谷隴蘆笙会(ミャオ族)
秋の収穫祭。先祖と自然への感謝を込め、老若男女が集い、蘆笙と舞で祝います。
開催地:黄平県谷隴鎮