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FASTがアップグレードして宇宙観測速度が5倍に

2020-02-13

 中国の「天眼」、口径500メートル球面電波望遠鏡(FAST)が17日、世界初となる19ビームLバンド受信機を取り付け、来月上旬に使用開始されることになった。この世界最先端の受信機は、中国と豪州の科学者が共同開発しており、稼働開始後にはFASTの宇宙観測速度が5−6倍に向上し、科学観測目標をさらに拡張できることになるとみられている。科技日報が伝えた。


 これまで使用されていた超広帯域マルチビーム受信機の観測能力は限定的であったが、FASTは14個のパルサーを新発見した。最近見つかったミリ秒パルサーは、FASTのパルサー探査の高い潜在力を再び示した。中国と豪州は2015年に、19ビーム受信機の開発契約を結んだ。1年以上の月日をかけ、世界初の19ビームLバンド受信機を開発した。その重さは1.2トンで、開発費は2000万元(1元は約17.45円)以上。


 19ビームLバンド受信機の稼働に伴い、FASTは観測中に電波源のより正確な測位画像を入手でき、より多くのパルサーを発見できる。さらに宇宙の距離と方向の異なる中世水素1.4GHzスペクトル線を観測でき、宇宙の歴史をより良く探査し、さらには存在しうる地球外文明を探査できることになるとみられている。(編集YF)


「人民網日本語版」2018年5月18日

   

   

 中国の「天眼」、今後10年から20年ほどは世界一流の地位を保持

   

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 FASTプロジェクトの1枚目の反射鏡取り付けから完成までの歩み。左上:FASTの1枚目の反射鏡取り付け(2015年8月2日撮影)。右上:FAST反射鏡の約半分の取り付けが完了(2015年12月16日撮影)。左下:FAST反射鏡の約8割の取り付けが完了(2016年3月9日撮影)。右下:FASTの全景(2016年9月24日撮影)。

   

 中国科学院国家天文台FAST(口径500メートルの球面電波望遠鏡)データセンターが先月24日、正式に貴州省に設立された。


 FASTは世界最大口径の電波望遠鏡で、昨年9月25日に貴州省平塘県で竣工し、稼働開始した。FASTは中国の「天眼」と呼ばれる。


 これは中国がリードし続けている天文プロジェクトで、大型電波望遠鏡建設の新モデルを打ち立て、独自の知的財産権を持つ。今後10から20年ほどは世界一流の地位を保持し続けると見られている。


 これまで世界トップを維持していた電波望遠鏡は、ドイツの口径100メートルのエフェルスベルク電波望遠鏡と、米国の口径300メートルのアレシボ天文台だった。FASTの感度はエフェルスベルク電波望遠鏡の約10倍で、総合性能はアレシボ天文台の約10倍。


 口径100メートル突破は、電波望遠鏡の極限であり、これほど巨大な電波望遠鏡が建設された先例はない。また、500メートル口径の構造でミリメートル級の精度を実現した例もない。


 稼働後のFASTは、深宇宙の信号と物質の探査において、パルサーやクエーサーなどの各種暗弱放射源の精密観測を行う武器になる。また深宇宙探査、パルサー自主誘導、高分解能マイクロ波サーベイ、宇宙天気予報などの面でも重要な力を発揮する。(編集YF)


「人民網日本語版」2017年6月14日