黔西南州

馬嶺河渓谷

2020-11-12

翻訳:彭 詩琦

修正:小川 恵佳

監修:姚 武強


 馬嶺河渓谷は貴州省黔西南州興義市の境界内の南盘江支流馬嶺河に位置し、東北は貴陽から334キロメートル、西は昆明から321キロメートル、総面積は344平方キロメートルである。万峰、千島、百滝、奇谷、彩画の神秘的な地缝いを景観の特色とする景勝地である。観光地の中に人文古跡が多く、民族風情が強く、気候は温和で潤いがあり、年平均温度は15℃~18℃で、四季は春のようで、昼夜の温度差が小さいである。人々が静寂を求め、名所を見物し、古物と奇観を探り、避暑、レジャーの名所である。景勝地は雄、奇、険、秀を一体に集め、谷内群瀑飛流、翠竹逆さま掛け、溶洞間の連接、カルシウムの奇観、両岸の古木と名木は千姿百態で、「地球上の美しい傷跡」と称され、全国の重点景勝地である。


 馬嶺河渓谷はカルストの多段階の地形景観の集中表現で、地缝嶂谷、群滝がかかる、炭酸カルシウムの壁掛けをかけて景観の特色を形成する。その地形構造は普通の峡谷と違って、実際には地縫いである。 


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 天星画廊は興義市城区から6キロ離れている。峡谷観光地の圧巻である。規模の大きい滝群と岩の壁掛けで主な景観特色を形成している。一絶と言ってもいいだ。馬嶺古橋から天星橋まで9.7キロのところに56の滝があり、年間36本の滝が流れる。積み上げた鍾乳石、石筍、石柱、マントルなどの景物を掛けて立体的な「瓊楼玉宇」を構成する。 景勝地は上から下まで彩岩峡、三古峡、天賜石窟、五里幽谷、彩水河、古駅道、霞光浴場、イルカ礼拝、絵画旅行、雨撒芭蕉、天星橋などの奇特な自然景観がある。


 馬嶺河渓谷の谷の長さは74.8キロメートル、幅は50~150メートル、谷の深さは120~280メートルで、谷底は地面より200メートル低いである。「万峰に囲まれ、千泉は谷に帰り、渓水は溯り、川は水を打つ」という役割によって、多彩な峡谷の奇観を育んできた。


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 一つは峡谷の2つの壁が雄大な規模、壮観な勢い、入り乱れた石灰岩を孕んでいることで、特有の岩石滝を構成している。

 

 二つは観光地の中に大小の滝が百以上ある。その中:天星画廊1.7キロ以内には、カップル滝、万馬奔腾滝、真珠滝、少女ベール滝、間欠五畳滝、雨打芭蕉滝、黄龍滝などの滝が20本以上ある。


  三つは、知られていない多くの水簾洞がある。


 馬嶺河渓谷を見物すると、自然の無限の不思議を感じることができる。峡谷は奥深くて、桟道は崖をよじ登って、曲折して、佳境に導くて、道に沿って遊ぶ、絵の中に入るようで、1歩ごとに、景色はすべてそれぞれ違って、遊びにふけって帰ることを忘れさせる。「石は雲より奇なり。このような珍しい景観は描きにくいである。奇を書くには詩しかない。詩は空山にある。


 馬嶺河渓谷は空山の詩で、多彩な「百画、百滝、百簾、百泉」の奇観を育んでいる。


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 馬嶺河渓谷は地面から下に向かって深い凹形の河谷を切り開いて、河谷の2つの壁は濃い墨色で、絵のように掛けられている。約110枚の絵が、馬嶺河渓谷の景勝地の「百画」を構成している。


 観光地は100以上のよく知られていない水簾洞があり、大小の滝56条があって、滝の高さ120-170メートル、滝の幅5-100メートル、銀河の切れ端のように壮麗で,まるで紗のようにしなやかで美しいで、馬嶺河渓谷の景勝地の「百滝」を構成している。

 観光地には名泉120箇所があり、例えば洗心泉、車榔温泉、千眼泉、天潭、地潭など、馬嶺河渓谷の景勝地の「百泉」を構成している。


 雲貴高原は世界で最も広く分布しているカルストの地である。馬嶺河渓谷の景勝地は雲貴高原の隆起する烏蒙山と広西丘陵の間にあり、三畳系炭酸塩可溶岩の分布が広く、岩層のしわが割れて複雑で、カルストの多段階、多種類の地形景観を集中的に体現している。東西両側の黄果樹瀑布と雲南路南石林競展の姿は中華カルスト風景を冠している。


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 馬嶺河は烏蒙山系の白果樹嶺に源を発し、上流は清水河と呼ばれ、中流は両岸に馬別大寨と馬嶺寨があるので馬嶺河と呼ばれている。馬嶺河は南盘江北岸の一級支流で、長雨による浸食作用で、地塊が深くて細長い地を作って地缝景観である。馬嶺河渓谷は急流の川と地下を結んで地表を切り裂いた亀裂谷で、上から下を見ると一つ地缝である。下から上を見ると一筋の天溝である。川から河口までの長さは約100キロの流れで、落差は約千メートルで、海抜1200メートルの平坦な平川で74.8キロに及ぶ馬嶺河渓谷をカットした。両岸の多くの支流が下切速度のために主流に遅れ、百メートル以上の高さの滝を形成して深い谷に落ちている。峡谷の平均幅と深さは20-400メートルの間にある。一番狭いところは50メートルで、一番深いところは500メートルである。こんなに狭くて、こんなに深いのは珍しいである。カルス区の川の水は炭酸カルシウムを含んでいて、落下の過程で急速に二酸化炭素を放出して、炭酸カルシウムを崖の壁につける。時間が経つにつれて、炭酸カルシウムの物質がどんどん厚くなり、面積がますます大きくなってきる。峡谷の2つの壁には規模が雄大で、気勢がみなぎっている石灰化の滝群が孕まれている。天星画廊の峰谷の絶壁だけで、面積が30万平方メートル以上の石灰滝がかかっている。勢いのある滝の峰々林と織り交ぜて、極めて珍しい景観を構成している。


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 馬嶺河渓谷が入り組んでいる滝は勢いがみなぎっていて、尖っている錐峰が密生している。両岸の峰々林の中には古寺、古橋、古戦場、古宿道などの人文景観があり、古野の情趣と神秘的な奥深さに満ちている。異なる景観の特徴によって、観光地は上から下まで車榔温泉、五彩长廊、天星画廊、趙家渡景観に分けられる。


 馬嶺河渓谷内では、川の水が澄んでいて、きらきらと透明で、お客さんが漂流して、ここで疲れなくて、峡谷側では、彩崖峡が風に向かって立っている。灰色の崖のセットの中にオレンジ色、灰白色、紫色、果緑色の様々な色、太さや細さや長さや短い線が分布している。だから名前は彩崖峡である。まるで巨大なカラースクリーンのように、彩崖峡に水が映って、虹の模様が水の流れに沿って移動する。とても美しいである。


 峡の尾の区間の壁のがけで、コケの植生は緑を身につけて紫に掛かって、幾重にも重なり合って、連綿とつづく、少女のダンスのスカートのようで、つぼみの荷蓮のようで、逆さまにかける海石の花のようである……絢爛多彩な壁画が馬嶺河畔に立っている。


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 飛瀑の下には巨大な天然浴場がある。浴場には太陽の光が溢れている。水霧が満ちていて、人間の瓊瑶のようである。船に乗って漂流して、スリリングである。自分に挑戦すると同時に、自然の不思議と壮麗さに感嘆する。


 峡谷の景勝地の両岸の切り立った崖が対峙して、谷の深い流れが急で、銀の滝が飛んで流れ落ちる。浜の急流のところで、水と石が打ちあって、波が打ち寄せて、耳が遠くなりそうである。崖の絵、千泉、万穴の両岸は掛ける。川の床から両岸を上にして、青い空と白い雲が映えて、まるで天溝のようである。峡谷大橋から谷底を見下ろして、流れの速い川が地缝のようである。最も独特な石灰化の滝群を、谷が深くて、流れが急で、滝が多くて、原始的な生態保護が完備している。岩画はとても美しいで、「西南奇縫、天下奇観」を構成している。


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 馬嶺河渓谷は谷の縁に登って景色を見ることができる。また谷底に下りて漂流することができる。今は47.8キロの漂流区が開放されている。二つの壁は切り立っている。川の流れは緩い中に急がある。ゴムボートに乗って上から下へ漂流して、自然の落差が200メートル以上もある。危険無比で、人をはらはらさせる。馬嶺河の漂流は全部で50キロ以上ある。80以上の険しい瀬、70余りの深い潭、60以上の湾がある。峰が回れば、船が暗転して、峡谷の中で一番景観が豊かなところである。漂流区は1993年7月10日にオープンした。1997年、我が国の歴史以来初めて開催された「中国国際エクスプレスピーカー招待試合」は、馬嶺河で「神州第一漂」という美称があり、漂流者が続々と訪れた。1998年第一回の中国国際カヌー漂流大会はここで開催された。2005年、馬嶺河渓谷は正式に「国家の激流カヌーの訓練基地」とされた。


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 車榔温泉は馬嶺河上流車榔布依族古寨に位置している。峡谷は山寨の前から通り抜けて、河谷の両岸はそれぞれ1つの温泉があって、左は“息子の泉”を量って、右は“女の子の泉”を量って、水温の38℃-40℃、泉の水の四季は澄みきっている。昔から今までブライ族の男女が川に対して風呂に入り、大自然の恵みを楽しんで、情趣があふれている。


 龍蔭から馬嶺鎮まで20キロの峡谷の区間は「五色の长廊」と呼ばれている。谷内には三つの清泉が流れている。水は山に従って回って、山は水で生きている。この「一彩」だ。馬保樹龍頭山溶洞には高い水頭の滝がある。水しぶきが飛び散って、草木が舞い、虹と照り映える。この「二彩」だ。長い廊下の泉の水がさらさらと流れ、水族動物が頻繁に行き来し、生き生きと「三彩」と呼ばれている。百花異草は水に応じて生まれ、風に揺れ、活力に満ちている。これは「四彩」だ。長い廊下の二岩の猪場川、木槌河秀水が互いに映えて、峡谷の「瑶池」と呼ばれ、「五彩」と呼ばれている。


 馬嶺河渓谷の近くには万峰林(西峰林)、東峰林、万峰湖、貴州龍化石博物館、「猫猫洞」、「張口洞」の古代人類活動遺跡、漢墓群、劉氏荘園、何応欽故居などの観光地と人文景観がある。


 万峰林は東、西峰林の二つの観光地に分けられている。東峰林の峰が次から次へと続くて、西峰林の山寨田園が互いに照り映えている。大自然の山水画、天然の大盆栽と呼ばれている。


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 万峰湖は雲貴高原の人工湖の真珠で、千何万の全島、半島が湖に分布している。天然の山水盆景を構成している。遊覧船が頻繁に行き来している。シラサギ、赤いカモメが上から下へ飛んでいる。水の上で石林、布依古寨、峰林景観、峡谷の絶壁が互いに照り映えている。湖の両岸には風情の深いミャオ族やブイ族などの少数民族が住んでいる。


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 「貴州龍」の化石群は今から二億四千万年の中生代三畳紀の時期の化石で、恐龍の卵の化石より一億年早いである。


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 国民政府の前軍政部長、何応欽の旧居、北伐軍護法軍総司令王文華将軍の旧居はすべて峰林の中にある。