翻訳:趙 林飛
修正:須崎 孝子
監修:姚 武強
補筆・再構成:CJ NaoTo
木姜子油(英名:oil of Litsea cubeba、または oil of mountain spicy-tree fruit)は、クスノキ科ハマビワ属の植物「山蒼子(さんそうし、学名 Litsea cubeba)」の果実から抽出される精油(エッセンシャルオイル)である。別名「山胡椒油(さんこしょうゆ)」とも呼ばれ、中国南部や東南アジアの一部地域で古くから利用されてきた。
この油は、果実を水蒸気蒸留することで得られ、爽やかな柑橘系の香り、特にレモンに似た芳香を持つのが特徴である。主成分はシトラール(citral)であり、抗菌作用・防腐作用があることから、近年ではアロマセラピーや天然香料としても注目されている。
また、調味料としての山蒼子油は、精油を適切に希釈して食用植物油と混合したもので、一般には調味油として使用される。淡い黄色を呈する液体で、独特の強い香味を有するが、その風味は比較的揮発性が高く、持続性は限定的である。中国貴州省などでは、肉料理やスープに風味付けとして加えられ、地域の伝統的な味覚の一端を担っている。